いくつかの折々の手紙

哲学などに関わる軽い読み物

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

転向礼賛:松村栄子「僕はかぐや姫」感想

「なのにそうした信念が、たった一筋の陽光の前にへなへなとくずおれてしまうことにふがいなさを感じて絶望したり、幾度か卑劣な転向を考えてみたりした」(p. 18) 松村栄子「僕はかぐや姫」(『僕はかぐや姫/至高聖所』、ポプラ社、2019年)を読んだ。この…

杉並区周辺のスケッチ(1)

「マスクを捨てて町へ出よう」、本当に? 僕は懐疑する。というのも、僕は町を知らないから。(知らないまま)町に出ると、人々はしっぽを持っている。それで首を絞めるのである。なるほど、首を絞められれば息をせずに済み、息をせずに済めばマスクをする必…