いくつかの折々の手紙

哲学などに関わる軽い読み物

連作7首_さしだしもの(M・Mに)

死者とはなす口もたぬゆえときどきは中空にそよと泳がす目

 

 

やった! かつ丼だ! しかし豚さんのスマイルぼくに投げかけられて

 

 

焼くと色が変わるのってよいよね 赤いままだと食べられなかった

 

 

死者にくちないわけでなくたとえば垣根の椿などにはたぶん

 

 

きみのことを思うのはきみが死んだからか風車(ふうしゃ)が霧をかき回している

 

 

ささやくのも張り上げるのも同じこと こちらがあまりに小さいときは

 

 

花が咲くように世界の耳はひらき ことばも水もさしだすもの

 

 

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以上。M・Mにささげる。